日々通信の高速化を目指して頑張っているのですが、日本から中国へのアクセスが遅い時にいったいどこをどう通るとこんなに遅くなるんだ!?と驚くことがあります。しかも、たまになぜか韓国経由が早いと言われたり、イマイチ地理と経路が合致しなかったりもします。そこで、今回かなりレイヤー下げて海底ケーブルレベルから考察してみました。
日本の海底ケーブル事情
下記は日本近海の海底ケーブル図です。
これだけみても分かるように、東シナ海にはたくさんのケーブルが敷設されています。日本から中国には数ルートありますが、一例をあげると、冗長化を考えて激しくループ構成になっている志摩や千倉を通るEAC-C2Cケーブルや、最近できた遅延値を考えてできるだけ一本道にしたSJCなどがあります。
<EAC-C2Cケーブル図>
参照:https://www.submarinecablemap.com/#/submarine-cable/eac-c2c
<SJCケーブル図>
参照:https://www.submarinecablemap.com/#/submarine-cable/southeast-asia-japan-cable-sjc
日本側の海底ケーブルの出発点は、ほぼ三重の志摩LSか千葉の九十九里側の千倉や丸山LSです。
これはなぜかというと、日本のISPの通信は大阪堂島か東京大手町などに一旦集約されてから各LSに向かうため、どうしてもそこから最寄りの三重や千葉になってしまうという訳です。九州や沖縄は地理的に中国寄りではあるものの、ルート的には一旦大阪まで行って三重に向かう、もしくは東京まで行って千葉に向かいそこからやっと海底ケーブルに入って折り返して中国に向かう、という行ったり来たりのトラフィックなのです。
しかも各キャリア側では、相互接続の絡みもあり様々な海底ケーブルに通信を割り振るため、必ずしも最短ルートで行けるとも限らず大回りをしてしまうケースもあります。
中国の通信事情、通信遅延が起きている理由
中国国内では、通信キャリアが得意とするテリトリーがあるため、南北間での通信遅延の影響も考えなくてはなりません。(下記の図を参照)さらに中国向けには、“グレートファイヤーウォール”が中国本土側のLS後に控えているという三重苦が発生している状態なのです。これが中国の通信遅延の主要因です。
中国への通信経路イメージがつかない場合、この様にルートレベルから考えてみると、自分が利用するISPの相互接続やルートが大阪回りか東京回りか、はたまたま最短ルートを辿れるか、中国国内でどの通信キャリアのテリトリー内に位置するのかなど、都度その事情は大きく異なってきます。
次に、最短ルートをさらに様々な通信制約を受けないよう専用網で中国国内各都市までバイパスルートを設けた場合、どの程度パフォーマンスが向上できるのかを試しに計測してみました。
下記が計測結果のグラフです。ざっくりと遅延値は3分の1に減り、安定化も図られました。
この計測に利用したのが、CDNetworksの「ハイスピード・データ・トランスミッション(HDT)」です。
HDTは、CDN技術を応用して最短通信ルートをTCP/IP独自のプロトコルで包んでトネリングして超高速でやり取りをするサービスです。グローバルサービスのため、中国に限らず世界中へ向けた拠点間通信のデータ転送を速くします。
本サービスについてご興味・ご検討のあるお客さまは、ぜひご相談ください。
グローバルデータ通信高速化サービス
「ハイスピード・データ・トランスミッション(HDT)」
HDTは、グローバル拠点間におけるデータ転送時の遅延を解消し、サイズ制限なく企業のWANネットワークを高速化します。これまで遅延解消が課題とされてきたVPNなど様々な通信の高速化にも対応しており、クライアントソフトウェアのインストールも不要です。お客様は、運用体制はそのままにトラフィック経路をHDTに向けるだけの簡単設定で導入ができるため、コスト効率よく、世界中へ向けて、大規模データでも、高速にデータ転送を行うことができるようになります。
拠点間での大規模データのやり取り、企業内アプリケーション(CRM/ERP/SCM/FTP/HTTPなど)、組織内のビデオ会議ツールおよびメッセンジャーやVoIPなど、海外との双方向通信のパフォーマンス向上に最適なソリューションです。
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