インターネットにおける海外間の通信事情とは~高速データ転送の仕組み

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海外間のネットワーク通信は遅い

以前のブログ記事(こちら)でも紹介させていただきましたが、海外間の通信というのは、日本国内の通信と比較してどうしても遅くなってしまいがちです。これがコンシューマー向けのWebサイトであれば大幅に満足度を下げることになり、結果的にWebサイトの離脱を招きビジネスチャンスを失ってしまうことになります。また最近では、特に動的なWebコンテンツ(※1)だけでなく、企業間/拠点間におけるデータ転送(特に大容量ファイル転送やCRMやERPなどの企業アプリケーションなど)でも、この遅延問題は解決すべき重要課題となっています。

※1 :エンドユーザのリクエストに応じた検索・予約・支払い・マイページ生成など都度サーバでの処理を要するコンテンツ

海外間の通信はなぜ遅くなるのか

ラウンドトリップタイムについて

ラウンドトリップタイム(Round Trip Time, 略してRTT)とは、送信側と受信側の往復時間を指します。海外間通信の場合、これがどうしても長くなってしまいます。
まず理由として考えられるのが「ネットワークの距離」です。国土の狭い日本国内と比較して遅くなるのはある意味当然です。さらに海外のトラフィックは国内と比較して混雑する傾向にあり(輻輳といいます)、これも遅延の原因となります。また輻輳している場合はパケットロス(※2)が起きやすくなるため、これも遅延の原因です。
※2:データを送信している途中でパケット/データのかたまり、が消失してしまうこと

ラウンドトリップ数について

もう一つの要素がラウンドトリップ数(Round Trip 数, 略してRT数)であり、RTTの報復回数を指します。実はRTTよりもRT数のほうが遅延への影響度が高いと言われています。仮にRTTが0.1秒の差であっても10往復すれば1秒の差になるため、当然といえば当然と言えるでしょう。
さて、RT数が増加する理由はなんでしょうか。これを説明するためにはTCPプロトコルの特性について理解が必要となります。

TCPプロトコルの特性

インターネット上で見知らぬ同士(送信側と受信側)が信頼性のある通信を確立するために、TCPプロトコルでは冗長なやり取りが発生します。代表的なものとしては3Wayハンドシェイクです。これはお互いの自己紹介のようなもので、意思の疎通が図れてから通信を開始します。次に、データのやり取りをする場合にも両者間で都度確認作業が必要となります。そして一度に送れるデータ量はウィンドウサイズに依存しますが、これもいきなり大きなサイズにすることはできず、輻輳を避けるために徐々に大きくしていきますし、パケットロスが起きたらウィンドウサイズはまた小さく戻されてしまいます。
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すべては知らない者同士が信頼性のある通信を確立するために必要なことなのです。

遅延を解消するために必要なこと

RTTの短縮にはネットワーク距離の短縮が必要で、主に下記の方法があります。

1. 近いところにオリジン(Webサーバ)を置く

ただし、この方法は一元性を損ないます。

2. CDNのキャッシュで対処する

特に最近は企業間や拠点間でデータをやり取りしたいと言うニーズが増えていますが、アクセスするユーザが少ないためキャッシュは役に立たない事が多く、そもそもアップロードの際にキャッシュはまったく関係ありません。そこで、キャッシュが効かない状況で遅延を解消するためにはRT数の削減を行うのが一般的で有効な手段となります。

3. RT数を削減する

前述のTCPプロトコルの特性で述べたように、知らない者同士でやり取りするために冗長な手続きを踏みます。
そこで、各ベンダーは「お互いを知っている者同士」にすることでやり取りの回数を減らす、つまりRT数を減らします。各ベンダー、製品、サービスによりこの方法は異なりますが、それぞれが細かいチューニングによりRT数を減らす努力をしています。
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その他、専用線やMPLSも選択肢になりますが、これらは厳密にはインターネットとは異なるため割愛します。

一般で提供されているサービスをまとめてご紹介

それぞれ一長一短はありますが、大枠で下記のような製品・サービスがあります。

■ WANアクセラレータ

各拠点に専用機器を置き、機器間の通信を最適化する方法です。拠点の数だけ機器を置く必要があり、求める通信量によって機器のグレードを選択する必要があります。この方法は、機器購入のための高額な費用がかかることに加え、自前での運用と保守が必要とされます

■ ソフトウェアインストール型のサービス

現在一般的に普及している方法の一つです。両端に機器ではなくソフトウェアをインストールします。この場合の通信方式は、提供ベンダーによって異なります。この方法は、自前での運用と保守が必要です。

■ クラウド型のサービス

CDNで提供される配信プラットフォームのように、リクエストをあらかじめチューニングされた通信経路に誘導する方法です。利用者は今利用している通信方法を一切変える必要がないという利点がありますが、通信が最適化される区間はサービスの網内(ミドルマイル)に限られます。ファーストマイルおよびラストマイルについては最適化されません。一方で、運用および保守についての心配は無用で、使った分だけ支払うサービス利用型のため手間やコストの効率化が図れます

拠点間データ通信高速化「ハイスピード・データ・トランスミッション」

CDNetworksのハイスピード・データ・トランスミッション(HDT)は、グローバル拠点間におけるデータ転送時の遅延を解消し、データのアップロード/ダウンロードの双方をサイズ制限なく高速転送します。これまで遅延解消が課題とされてきたVPNなど、さまざまな通信の高速化にも対応しており、クライアントソフトウェアのインストールも不要です。お客様は、運用体制はそのままに、トラフィック経路をHDTに向けるだけの簡単設定で導入ができるため、コスト効率よく、世界中へ向けて、大規模データでも、高速にデータ転送を行うことができるようになります。

拠点間での大規模データのやり取り、企業内アプリケーション(CRM/ERP/SCM/FTP/HTTPなど)、組織内のビデオ会議ツールおよびメッセンジャーやVoIPなど、海外との双方向通信のパフォーマンス向上に最適なソリューションです。

無料トライアル利用も実施しておりますので、ご興味のあるお客さまはお気軽にお問い合わせくださ。
また、CDNetworksでは、HDTに関する詳細をまとめたホワイトペーパーを提供しています。是非ご覧ください。

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なお、弊社では、Web会議(30分ほど)でのサービス紹介も承っております。
ご興味、ご関心のあるお客様は、お気軽にお問い合わせフォームよりお申し付けください。

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