CDNのネットワークインフラは、どのように計画されているのか?

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まず、CDN(コンテンツ・デリバリ・ネットワーク)のネットワークインフラについて述べる前に、サービスコンポーネントについて簡単に説明しましょう。CDNサービスのためには、キャッシュシステム、GSLB(グローバル・サーバ・ロードバランシング)、ネットワークという3つの主要コンポーネントを開発・構成・運営しなければならず、これを総称してCDNと呼んでいます。

キャッシュシステムとは

お客様Webサーバ(オリジン/配信元)から受け取ったWebコンテンツを各地に分散配置したPoP(配信拠点)内のCDNのWebサーバ(CDNサーバ/エッジ)にキャッシュ(コピー)し、エンドユーザからのリクエストに対して一番近いPoPから配信することでWebページの表示を高速化する最も一般的なCDNのシステムです。CDN事業者が利用するキャッシュは、”リバースプロキシキャッシュ”と言われる場合もあります。

GSLBとは

DNS(ドメイン・ネームシステム)の一種で、エンドユーザの位置情報をIPデータベースを照会して調べ、エンドユーザの近くにあるCDNのPoPに知らせる役割に加えて、複数の場所に分散しているPoPの状態を監視する役目も担います。

ネットワークとは

ISPやIXを利用して、PoPおよびゾーン単位のIPネットワーク上にあるキャッシュシステムに、キャッシュされているお客さまコンテンツおよびエンドユーザを、安定的に接続させるための役割を果たします。

CDNetworksのネットワークインフラについて

CDNetworksは、2000年に設立されたグローバルCDNサービスプロバイダで、日本・韓国・中国・シンガポール・インド・イギリス、そしてアメリカに現地法人を設置しサービスを提供しています。現在、世界6大陸、100都市200以上の地域にPoPを展開してグローバルな配信ネットワークを運営していますが、さらなる通信品質向上のためにPoPを継続的に新設しており、そのカバーエリアは年々拡大し続けています。

CDNetworksが新しいPoPを開設する理由は、世界中のCDNを利用するお客様のコンテンツをエンドユーザへ、”いつ・どこへでも・どんなときでも“安定的に高速配信するためです。そして、PoP新設の可否は、CDNetworksのコストエンジニアがさまざまな調査やデータを参照し、費用対効果を意識しつつ、慎重に決定しています。

globalmap
<図1>CDNetworksのグローバルPoPマップ

CDNetworksの技術ユニットでは、各チームに役割を設けています。
エンジニアチーム:キャッシュ/GSLBの開発
運用・サービスチーム:キャッシュ/ GSLBを利用してお客様のコンテンツをエンドユーザに配信
ネットワーク・システムチーム:キャッシュ/ GSLBのシステムレベルでのマネージメントやIPネットワークの構築など、システムの管理・向上の促進

google anycast dns
<図2>5つの地域に分散されたGoogleのAnycast DNS(8.8.8.8)の例

CDNetworksでのネットワークインフラ管理/運用におけるタスクとは?

主な業務内容は次のとおりです。
– PoPの新設
– PoPのステータスと使用量の監視
– 障害対応
– バックエンドオペレーション
– コストエンジニアリング

今回は、一般的な事項は省き、「PoP新設」と「コストエンジニアリング」について解説をします。まず、CDNetworksではPoPを新設する場合、以下の3段階のプロセスを踏んでいます。

(1)トラフィックと品質調査
(2)ISPやIXのコスト調査
(3)機器の購入とインストール

そして、PoP新設の可否の判断は、(1)と(2)の結果によって決定されます。では(1)、(2)、(3)のそれぞれのプロセスにおける具体的な活動について、簡単に説明しましょう。

(1)トラフィックと品質調査
まず、「トラフィック」では、CDNでキャッシュ配信されるお客様のコンテンツは、どの国にどれだけ配信されていて、さらにはその国のいくつのISPを利用しているのかを調査します。また、「品質調査」では、配信先となる国でのPoP構成を決定するために、どのような品質でコンテンツが配信されているかを知る必要があります。

一般的に、戦略企画部門とサービスパフォーマンス部門が連携をして、現在のトラフィック量や今後の見込み、および適切な品質での配信の可否などを総合的に判断し、PoPを新設するかどうかを決定します。なお、これらの情報を調べるにためは、Webログベースの統計情報、フロー情報のエクスポートによるASナンバー統計、DNSクエリ統計などをすべて参照します。

(2)ISPやIXのコスト調査
まず、エンドユーザ向けにコンテンツを配信するときのコストを考慮する必要があります。もし、同等の品質であれば一番費用対効果の高い方法を選択します。分かりやすい手段として、地域No.1の ISPと契約しサービスする方法がありますが、一般的に費用は高くなりがちです。そこで、品質調査をした上で、コストが割安な周辺国や国際専用回線 (IPLC) の利用なども検討します。さらに、IXピアリング/プライベートピアリングの利用なども考慮しつつ、最適な品質とコストで配信する方法を選定します。

(3)機器の購入とインストール
海外にあるPoPへのインストールと関連して、多くの時間と投資が必要な項目の一つに、機器購入と現地への配送手配があります。その手段は主に以下が挙げられますが、最終的には現地の状況やこれまでの経験から担当者が判断します。

– 物流センターで購入してその国に直接出荷する
– 現地で購入する
– 自社購入してその所有権を機器設置先の事業者に譲渡する   など

機器インストールには、現地のデータセンターにオンサイトを依頼したり、現地の関連会社やアルバイトを雇うなど、コストを意識しつつ臨機応変に対応します。これら一連の業務(機器の購入~設置まで)は、ケースによっては6ヶ月以上かかることもあります。

まとめ

今回は “CDNのネットワークインフラの仕組み”の中から、ネットワークインフラ構築において普段あまり語られることのない「PoP新設」と「コストエンジニアリング」について解説しました。

まず「PoP新設」では、お客さまの需要、そして現在のトラフィック量と今後の見込み、さらには適切な品質での配信の可否などを調査し、総合的に判定した上で新設するかどうかを決定しましょう。また「コストエンジニアリング」では 、地域ISP以外にもコストが割安な周辺国や国際専用回線に加え、IXピアリング、プライベートピアリングなどをうまく組み合わせて、最適なコストと品質で配信するためのネットワークインフラ構成を選定できる知識と能力を日々養い、経験を積むことが大切です。

CDNetworksでは、Webサイトのパフォーマンス向上とWebサーバ(オリジンサーバ)の負荷分散のための「CDNサービス」に加え、DDoSやWAF、ボット攻撃対策などの「クラウド型セキュリティサービスを提供しています。

お客様は、世界中に展開するCDNetworksのCDNプラットフォームを利用することができるため、日本にいながら手軽に海外へ向けてコンテンツ配信するための環境を手に入れることができます。Webサイトのコンテンツを高速配信するためのネットワークインフラはすべてCDNetworksの設備を利用するため、お客様は必要最低限の設備を持つだけでよく、設備投資や運営コストの削減も図ることができる点がCDNを利用する上での大きなメリットです。

CDNetworksのCDNサービスの導入にご興味のある方は、是非ご連絡ください。

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